医薬品

リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序と特徴【添付文書・IFに沿って】

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2020年1月23日に製造販売承認の取得を取得しました。
JAK阻害薬であるリンヴォック錠(ウパダシチニブ)について、添付文書インタビューフォーム中心に、病院薬剤師目線から説明します。

こんな方におすすめ

  • 関節リウマチの症状と原因を復習したい
  • リンヴォックの作用機序は?
  • リンヴォックの処方監査で、確認する事項
  • リンヴォックの服薬指導の注意点

医薬品情報(基本項目)

↓ の表は右にスライドします

販売名リンヴォック錠7.5mg/リンヴォック錠15mg
名前の由来

特になし

一般名ウパダシチニブ水和物 (洋名:Upadacitinib Hydrate)
製造販売元

アッヴィ合同会社

薬効分類ヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤
効能・効果既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)
用法・用量

通常、成人 15mgを1日1回経口投与する。

なお、患者の状態に応じて7.5mgを1日1回投与することができる。

製剤の性状

徐放性フィルムコーティング錠

薬価

未定(2020123現在)

問い合わせ窓口

アッヴィ合同会社 くすり相談室

〒108-0023 東京都港区芝浦3-1-21

フリーダイヤル 0120-587-874

医療関係者向けホームページ http://www.abbvie.co.jp/

関節リウマチ(rheumatoid arthritis: RA)の症状と原因について

まず、関節リウマチについて、簡単に復習しましょう。

関節リウマチは、関節滑膜の増殖による慢性炎症性疾患です。

「滑膜ってどこ?」とうい方のために、画像を載せます。

出典元:疼痛jp

原因については、Ⅲ型アレルギーによる自己免疫反応が有力です。リウマトイド因子は関節リウマチの患者70~80%が検出されます(全員ではない)。

リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序・JAKファミリーについて

JAKファミリーについて

作用機序の原文を読む前に、JAKファミリーについて説明します。
JAKファミリーは、4つの細胞内酵素のことをいいます。

・ヤヌスキナーゼ1(JAK1)

・ヤヌスキナーゼ2(JAK2)

・ヤヌスキナーゼ3(JAK3)

・チロシンキナーゼ2(Tyk2)

今回、Tyk2はあまり関わっていないので、省略します。

ポイント

JAK1 は、IL-6を含む炎症性サイトカインシグナルに関わっている
JAK2は、赤血球成熟に重要
JAK3は、リンパ球機能に重要

 👇 それぞれのJAKを阻害すると

ポイント

JAK1→ 炎症反応の低下(関節リウマチなどの自己免疫反応で起こっている病気の改善)
JAK2→ 赤血球の成熟に悪影響
JAK3→ 免疫機能の低下

つまり、JAK1を阻害することで炎症が押さえられるメリットはありますが、
JAK2,3は副作用的な作用が強いようです。
そのため、JAK1に選択性の高い薬剤が関節リウマチに良いとされています。


これらを頭に入れておくと、作用機序がより分かりやすいと思います。
簡単に説明させていただきましたが、リンヴォックIFの原文を見てみましょう。

リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序【JAK阻害薬】

JAK は炎症応答,造血,及び免疫監視を含む広範囲の細胞プロセスに関与するサイトカインまたは増殖因子シグナルを伝達する重要な細胞内酵素である.JAK ファミリーの酵素には,JAK1,JAK2,JAK3 及び Tyk2 があり,シグナル伝達及び転写活性化因子(STAT)のリン酸化及び活性化に関わる.JAK1 は炎症性サイトカインシグナルにおいて重要であるが,JAK2 は赤血球成熟にとって重要であり,JAK3 シグナルは免疫監視及びリンパ球機能において重要な役割を示す.
ウパダシチニブは選択的かつ可逆的に JAK を阻害し,STAT リン酸化の阻害を介して炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制する.
出典元:インタビューフォーム

ウパダシチニブの作用機序
出典元:インタビューフォーム

図中より転記

①サイトカインが受容体に結合すると、JAKがリン酸化される
②リン酸化されたJAKは受容体の細胞内ドメインをリン酸化
③細胞内ドメインにSTATが会合し、STATがリン酸化される
④STATが2量体を形成し、遺伝子転写を活性化する

この部分を阻害

作用機序:結論

ウパダシチニブは、選択的かつ可逆的にJAKを阻害し,STATリン酸化の阻害を介して、炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制する
※特にJAK1に選択的

リンヴォックの特徴【1日1回 投与】

次にリンヴォックの特徴を見ていきましょう。

同様のJAK阻害薬であるゼルヤンツ(一般名:トファシチニブ)は、1日2回の薬剤ですが、

リンヴォックは1日1回の薬剤となります。

(因みに、オルミエントとスマイラフも1日1回です)

関節リウマチの患者さんは、比較的内服薬が多い印象ですので、1剤でも薬剤が減る事は患者さんに取ってメリットです。

もう一つは、JAK1に選択性が高いため、機序的には、副作用の頻度が少なくなると思います。

効能効果・用法用量【15㎎ or 7.5㎎】

次に、効能効果について説明です。

  1. 効能又は効果に関連する注意

5.1 過去の治療において,メトトレキサートをはじめとする少なくとも 1 剤の抗リウマチ薬等による適切な治療を行っても,疾患に起因する明らかな症状が残る場合に投与すること.

出典元:添付文書

リンヴォックを使用するには、MTX をはじめとする少なくとも1 剤の抗リウマチ薬等を使用するなど,他の治療を十分検討した後に、必要生を考慮すべきとされています。
そのため、現時点では、初回では使用出来ません

次に、用量です

通常、成人にはウパダシチニブとして15mgを1日1回経口投与する。なお、患者の状態に応じて7.5mgを1日1回投与することができる。

出典元:添付文書

IFには、7.5㎎より15㎎の方が効果があったとされています。また、30㎎でも効果はありましたが、15㎎と比べると副作用が多く出ました。

つまり、

有効性 7.5㎎<15㎎=30㎎
安全性 15㎎>30㎎

このため、15㎎が通常用量に設定されています。

また、日本人の関節リウマチ患者において,7.5 mgは15 mgほどではないものの,プラセボ群・MTX群に比べて,関節リウマチの症状・徴候の改善及び関節の構造的損傷の防止を含め高い有効性を示したとされています。
安全性においては,帯状疱疹及び CPK 上昇の発現率は用量に依存して高くなる傾向が認められた.

以上を踏まえて、患者の状態や疾患活動性を考慮し,患者の状態に応じて 7.5 mgも選択できることは適切と考えられたため7.5mgも用量として設定されています。

食事の影響について【影響なし】

海外第Ⅰ相で、本剤 30 mgを単回投与した時に下条件で比較されています。

吸収率の比較

・絶食下
・高脂肪食摂取後


結果:高脂肪食の方が、AUCの増加は29%,Cmaxの上昇は39%
(IFより、臨床上問題となる影響はないとされている)


第Ⅲ相試験においては,食事は考慮せずに投与されています。

副作用・警告【各既往感染】

ウパダシチニブは、免疫反応に関与するJAKファミリーを阻害し、感染症に対する宿主免疫能に影響を及ぼす可能性があります。

警告を薬剤師目線から簡単にまとめます。

①重篤な感染発現と悪化。関連性は不明だが悪性腫瘍の発現も報告されているため、慎重な使用が勧められている。

②結核の既感染には要注意であり、調べていることが必要。

禁忌については、調べられると思いますので、省略します。「重度の肝機能障害に禁忌」は見逃しやすいと思うので注意です。

副作用についてまとめます。

肺炎(0.1%未満)、帯状疱疹(0.7%)、結核(頻度不明)、消化管穿孔(頻度不明)、好中球減少(1.4%)、リンパ球減少(0.8%)、ヘモグロビン減少(貧血:0.7%)、ALT上昇(1.8%)、AST上昇(1.4%)

その他の副作用

出典元:添付文書

代謝と併用注意薬【CYP3Aで代謝・併用禁忌は無し】

ウパダシチニブは主として、CYP3A4によって代謝されます。

寄与の程度は小さいですが、CYP2D6とCYP3A5によっても代謝されることがin vitro示されています(IFより)。

出典元:インタビューフォーム

相互作用についてですが、CYP3Aで代謝されるためCYP3Aを強く阻害あるいは誘導する薬剤との併用には注意が必要です。
表の中で、一般的に可能性があるのは、クラリスロマイシンでしょうか。

製剤上の特徴【粉砕不可:徐放性製剤のため】

14.適用上の注意
14.1 薬剤調製時の注意
粉砕して使用しないこと.

出典元:インタビューフォーム

しっかりと記載があり、リンヴォック錠は徐放性製剤であるため、乳鉢などで粉砕して調剤しないこととされています。
Dr.が粉砕指示を入れる可能性もあるので、粉砕が必要な処方は、疑義照会が必要です。

注意点

リンヴォック錠は徐放性製剤のため、粉砕不可!

服薬指導の注意点【徐放性製剤・帯状疱疹・高熱】

私が服薬指導をするなら、ここは説明するかなというポイントを挙げます。ご意見はコメント欄に記載いただくと、ありがたいです。

①噛み砕いて服用しないように指導
上でも挙げましたが、徐放性製剤のため、錠剤を噛み砕いて服用しないように指導します。
②帯状疱疹の説明

自覚出来る副作用の中で、帯状疱疹は頻度0.7%と比較的高いです。そのため、帯状疱疹の症状を説明しておき、もし現れた時は、受診して貰うようにします。

③高熱等
重大な副作用に、感染症や好中球減少症があるため、高熱が出た際は、受診をした方が良いとされています。
前提として、薬を飲んでいる間は、免疫の低下は少なからずあるため、「手洗いうがい」の推奨は必要です。
体調が悪い時に、受診するのは当たり前ですが、説明は必要です。
貧血については、採血をしたら確認出来ますが、採血がない場合は、聞き取りが大事になってくるでしょう。

他のJAK阻害薬との違い

ゼルヤンツ®(一般名:トファシチニブ)
初めてのJAK阻害薬(2013年7月発売)
JAK1,JAK2,JAK3のすべてを阻害する。
1回5mgを1日2回内服
中等度又は重度の腎機能障害や中等度の肝機能障害の患者さんには、5mg1日1回

オルミエント®(一般名:バリシチニブ)
2017年9月発売。
JAK1とJAK2を選択的に阻害する。
1日1回4㎎ 内服
腎排泄

スマイラフ®(一般名ペフィシチニブ)
2019年7月発売。
JAK1、JAK2、JAK3およびTYK2の全てのJAKファミリーを阻害
1日1回150mg内服
100mgで投与も可能
肝機能低下時は、50mgに減量。重度の肝障害であれば使用出来ない

【まとめ】リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序と特徴

リンヴォック錠(ウパダシチニブ)について、個人的な観点からまとめさせていただきました。

ポイント

■JAKファミリーについて

JAKは、4つの細胞内酵素

①ヤヌスキナーゼ1(JAK1)、②ヤヌスキナーゼ2(JAK2)、③ヤヌスキナーゼ3(JAK3)、④チロシンキナーゼ2(Tyk2)

JAK1:IL-6を含む炎症性サイトカインシグナルに関わっている
JAK2:赤血球成熟に重要
JAK3:リンパ球機能に重要

■リンヴォック(ウパダシチニブ)の作用機序

ウパダシチニブは、選択的かつ可逆的にJAKを阻害し,STATリン酸化の阻害を介して、炎症性サイトカインのシグナル伝達を抑制する
※特にJAK1に選択的

■リンヴォックの特徴

・1日1回投与

・JAK1に選択性が高い
■食事の影響は受けない

■副作用と禁忌

内容が多いため、上の記事を参照ください。

■代謝と併用注意薬

CYP3Aで代謝される。併用禁忌は無いが、CYP3Aに影響がある薬剤は併用注意
■製剤上の特徴【粉砕不可:徐放性製剤のため】

粉砕不可
■服薬指導の注意点

・徐放性製剤

・帯状疱疹

・高熱

リンヴォック錠についての説明は以上となります。

上記内容はばーくん(BA-KUN )の個人的見解であり、利益相反等も一切ございません。薬剤の使用については、必ず添付文書インタビューフォームを読んで使用してください。治療により受けた不利益の責任はおいかねます。

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