医薬品

デエビゴ(レンボレキサント)の作用機序・オレキシン受容体について

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2020年1月23日に製造販売承認の取得を取得しました。
オレキシン受容体拮抗剤であるデエビゴ錠(レンボレキサント)について、添付文書インタビューフォーム中心に、病院薬剤師目線から説明します。

こんな方におすすめ

  • デエビゴの作用機序は?
  • デエビゴの服薬指導の注意点
  • デエビゴとベルソムラの違いは?

医薬品情報(基本項目)

↓ の表は右にスライドします

販売名デエビゴ錠2.5mg/デエビゴ錠5mg/デエビゴ錠10mg
名前の由来

Day(日中)+Vigor(活力)+Go(ready to go)=Dayvigo

一般名レンボレキサント (洋名:Lemborexant)
製造販売元

エーザイ株式会社

薬効分類不眠症治療薬
効能・効果不眠症
用法・用量

1日1回5mgを就寝直前に経口投与(成人)

症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこと

製剤の性状

フィルムコーティング錠

薬価

未定(2020123現在)

問い合わせ窓口

エーザイ株式会社 hhcホットライン
フリーダイヤル  0120-419-497
医療関係者向けホームページ https://www.eisai.co.jp

デエビゴの由来は、Day + vigor + Goなんですね。
けど、慣れるまで正直言いにくい(笑)
デビエゴ?と間違えたので、dayで考えると思いだすかも!
ハリミちゃん

デエビゴ(レンボレキサント)の作用機序・オレキシン受容体について

デエビゴ(レンボレキサント)の作用機序【OXR阻害薬】

さっそく、デエビゴIFの原文を見てみましょう。

神経ペプチドであるオレキシンは、オレキシン受容体(OX1R、OX2R)を介して覚醒の安定化及び睡眠の抑制を行っている。
レンボレキサントは、OX1R及びOX2Rの両者に対し競合的かつ可逆的拮抗作用を有するオレキシン受容体拮抗剤である(⑲)。
レンボレキサントのヒトOX1R及びOX2Rに対するカルシウム流入試験のKi値は、それぞれ8.1nmol/L及び0.48nmol/Lであった(in vitro)(⑳)。
レンボレキサントは、覚醒を促進するオレキシンA及びBのOX1R及びOX2Rへの結合を可逆的に阻害することにより、脳を覚醒状態から睡眠状態へ移行させ、睡眠を誘発すると考えられる。
OX1RとOX2Rのどちらがより覚醒/睡眠に寄与しているかは、未だ十分に解明されていないが、OX2Rの方が覚醒/睡眠の調整により重要な役割を担っていることが示唆されている(③~⑥)。

さらに、デュアルオレキシン受容体拮抗剤は、どちらか片方のオレキシン受容体拮抗剤より強い睡眠 促進作用があると考えられている(㉑)

出典元:インタビューフォーム

デエビゴ作用機序
デエビゴ作用機序
出典元:デエビゴインタビューフォーム

少し分かりにくいので、まとめていきます。

オレキシン(神経ペプチド)は、オレキシン受容体を介して覚醒の安定化・睡眠の抑制を行っている

オレキシン受容体には、2種のサブタイプがある(OX1R、OX2R)

用語

・オレキシン1受容体[OX1R]
・オレキシン2受容体[OX2R]

両方を阻害する薬剤

DORA:dual orexin receptor antagonist

レンボレキサントは、OX1RとOX2Rの両方に対し、競合的可逆的拮抗作用を有する薬剤

覚醒を促進するオレキシン受容体への結合が阻害されるため、睡眠を誘発させる。

今の段階では、OXR2Rの方が覚醒/睡眠の調整により重要な役割を担っていることが示唆されている。

OX1RとOX2Rの両方を阻害するデュアルオレキシン受容体拮抗剤の方が、片方のものよりも強い睡眠促進作用があると考えられている
DORA:dual orexin receptor antagonist

作用機序

オレキシン(神経ペプチド)受容体は、覚醒の安定化・睡眠の抑制に関与
2種のサブタイプ(OX1R、OX2R)がある
レンボレキサントは、OX1RとOX2Rの両方を競合的可逆的に拮抗
オレキシンR阻害⇒睡眠誘発

補足:OXR2Rの方が覚醒/睡眠の調整により重要かもしれない

   OX1RとOX2Rの両方を阻害する薬剤の方が睡眠作用が強い

効能効果・用法用量【Max10㎎】

次に、用量について説明です。

通常、成人にはレンボレキサントとして1日1回5mgを就寝直前に経口投与する。なお、症状により適宜増減するが、1日1回10mgを超えないこととする。

出典元:添付文書

高齢者に対しての用量は特に明記されていません。

ベルソムラと違う点ですね。注意は必要だと思います。

メモ

ベルソムラ:高齢者には15㎎

食事の影響について【影響あり・食直後投与×】

入眠効果の発現が遅れる恐れがあるため、食事と同時・食直後の服用は避けることとされています。(血中濃度の低下)

データを見ていきましょう。

デエビゴ作用機序
出典元:インタビューフォーム

以上より、食事によりCmaxが大きく低下し、Tmaxも遅くなります。

睡眠自体は、ガツンと寝た方がいいので、空腹時の投与が必須です。夜食を取ってから、薬を飲むと効果が薄くなるので注意です。

食事の影響

空腹時(寝る前)に必ず投与
食事により、血中濃度の低下がみられる
 ⇒効果発現の低下

副作用・禁忌【併用禁忌はなし】

禁忌:重度の肝機能障害、過敏症
軽度・中等度の肝機能障害患者に単回投与した場合、Cmaxは、健常人と比べて、58%及び22%上昇し、AUC(0-inf)は25%及び54%増加している。

ナルコレプシーとカタプレキシーの患者さんには、悪化させる可能性があるので慎重投与です。

用語

ナルコレプシー:日中において場所や状況を選ばず起こる強い眠気の発作を主な症状とする睡眠障害
カタプレキシー:喜怒哀楽、恐れや羞恥といった過度の情動刺激(感情の高ぶり)により発生する発作症状。ナルコレプシーの患者が副症状としてカタプレキシーを併発するケースが多い

カタプレキシーは知らなかった。メモメモ。
ハリミちゃん

■副作用

頻度が高いのが、傾眠(10.7%)、頭痛(4.2%)、倦怠感(3.1%)です。

異常な夢・悪夢があったので、これもベルソムラと似ていますね。傾眠の副作用は、ベルソムラより多いです。

服薬指導の注意点【睡眠習慣の改善・運転禁止 】

私が服薬指導をするなら、ここは説明するかなというポイントを挙げます。ご意見はコメント欄に記載いただくと、ありがたいです。

まず前提として、以下のポイントを抑える事が必要です。

注意ポイント

■睡眠習慣の改善が必要である事

■睡眠時間には個人差がある事

■加齢により睡眠時間は短縮する事

元々生活習慣が悪ければ、薬は効きませんし、必要以上の薬剤量が必要になります

また、高齢の人は睡眠時間が短いのは当たり前です。日中眠気に襲われて不便でない限り睡眠は十分と言えます。

前提としては、ここまで。以降は薬剤個々の部分の説明です。

重要な基本的注意に記載があるように「自動車運転・機器操作の禁止」があります。
「飲んでから運転する訳じゃないから問題ない」と良く勘違いする方がいますが、ダメです。

また、食後投与により、血中濃度が低下するため、夜食は控えてもらい、必ず寝る前に服用してもらいます。

1回7.5㎎以上の投与の場合は、傾眠等の副作用に注意して減量に努めます。

眠剤内服中の基本ですが、アルコールは避けていただくようにお願いします。

まとめ

・服用中は自動車運転等は避けてもらう
・夜食は控えてもらう
・寝る直前に必ず飲んでもらう
・7.5㎎以上の場合は、減量について頭に入れておく

ベルソムラとデエビゴの違い【併用禁忌なし・一包化が可能】

商品名デエビゴベルソムラ
一般名

レンボレキサント

スボレキサント
製造販売エーザイMSD
用法就寝直前同様
用量5㎎(成人)20m(成人)、15㎎(高齢者)
禁忌

重度の肝機能障害、過敏症

CYP3Aを阻害する薬剤(下記)、過敏症
併用禁忌なしイトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、ネルフィナビル、ボリコナゾール等
一包化不可

【まとめ】デエビゴ(レンボレキサント)の作用機序と特徴

デエビゴ錠(レンボレキサント)について、個人的な観点からまとめさせていただきました。

ポイント

■デエビゴ錠(レンボレキサント)の作用機序

オレキシン(神経ペプチド)受容体は、覚醒の安定化・睡眠の抑制に関与
2種のサブタイプ(OX1R、OX2R)がある
レンボレキサントは、OX1RとOX2Rの両方を競合的可逆的に拮抗
オレキシンR阻害⇒睡眠誘発

補足:OXR2Rの方が覚醒/睡眠の調整により重要かもしれない

   OX1RとOX2Rの両方を阻害する薬剤の方が睡眠作用が強い

因みに、ベルソムラもOX1RとOX2Rの両方を阻害

■食事の影響を受けるため、眠前を守る・夜食は取らない

食事により、血中濃度の低下がみられる
 ⇒効果発現の低下

■副作用

傾眠(10.7%)、頭痛(4.2%)、倦怠感(3.1%)

■服薬指導の注意点

服用中は自動車運転等は避けてもらう
夜食は控えてもらう
寝る直前に必ず飲んでもらう
7.5㎎以上の場合は、減量について頭に入れておく

デエビゴ錠(レンボレキサント)についての説明は以上となります。

ベルソムラの解説はこちらになります。よろしければよろしければこちらもどうぞ。

上記内容はばーくん(BA-KUN )の個人的見解であり、利益相反等も一切ございません。薬剤の使用については、必ず添付文書インタビューフォームを読んで使用してください。治療により受けた不利益の責任はおいかねます。

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