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糖尿病治療ガイド2020【感想・レビュー】基礎から実例まで網羅した安心の書籍

ばーくん
こんにちは、病院薬剤師ばーくん(@ba_kun_ph)です

実際に読んだ書籍の紹介させていただきます。

今回紹介する本は、2年ごとに日本糖尿病学会から発行されている「糖尿病治療ガイド」の紹介です!Amazon医療ランキング2位です(8/18現在)。

「糖尿病治療ガイド2020-2021」について

本の特徴を簡単にまとめると‥‥

チェックリスト

  • 【本のタイプ】:通読型の教科書

  • 【ページ数】:151ページ(フルカラー)

  • 【通読にかかる時間】:3~4時間

  • 【読み返し度】:2/5

  • 【おすすめ対象者】

    ・新人薬剤師

    ・中堅薬剤師

  • 【優良ポイント】900円+税と格安!

「糖尿病治療ガイド2020-2021」感想レビュー

本書の目次がHPに掲載されていたので、まずは見てみましょう。

目次

1.糖尿病 疾患の考え方
 A.糖尿病とは
 B.糖尿病に関する指標
  1.平均血糖値を反映する指標
  〔COLUMN〕HbA1cの国際標準化に伴う表記法の変更
  2.インスリン分泌能の指標
  3.インスリン抵抗性の指標
  4.脂質代謝の指標
 C.糖尿病の分類
  1.糖尿病の成因分類
  2.糖尿病における成因(発症機序)と病態(病期)

2.診 断
 A.病歴聴取の注意点
  1.現病歴
  2.既往歴
  3.家族歴
  4.治療歴
  5.病気に関する知識と生活歴
 B.身体所見のポイント
  1.皮 膚
  2.眼
  3.口 腔
  4.下 肢
  5.神経系
 C.診断のための検査
  1.糖代謝異常の判定区分と判定基準
  2.75gOGTT(75g経口ブドウ糖負荷試験)
 D.糖尿病の診断
 E.境界型とメタボリックシンドローム(内臓脂肪症候群)
  1.境界型とは
  2.境界型の鑑別
  3.境界型を見出したときの取り扱い

3.治 療
 A.治療目標とコントロール指標
  1.糖尿病治療の目標
  〔COLUMN〕糖尿病に関わるスティグマとアドボカシー
  2.コントロールの指標
 B.治療方針の立て方
  1.インスリン非依存状態
  2.インスリン依存状態
 C.糖尿病教育とチーム医療
  1.糖尿病教育
  2.自己管理行動を促進する心理・行動学的方法
  3.心理的問題の扱い方
  4.チーム医療の重要性
 D.災害への備えと災害時の対応
  1.災害時の糖尿病の特徴
  2.病院・診療所・医療者レベルでの備えまたは対応
  3.糖尿病患者レベルでの備えまたは対応

4.食事療法
 A.食事療法の進め方
  1.エネルギー摂取量
  2.栄養素の構成
 B.食事療法の実際
  1.患者への食事指示
  2.食事療法の評価と指導
  3.食品交換表
 C.合併症の予防のために

5.運動療法
  1.運動療法の進め方
  2.運動の種類
  3.運動の強度
  4.運動時間と頻度
  5.運動の消費エネルギー
  6.運動療法指導上の注意点
  7.運動療法を禁止あるいは制限した方がよい場合

6.薬物療法
 A.経口薬療法および注射薬療法
  1.ビグアナイド薬
  2.チアゾリジン薬
  3.α-グルコシダーゼ阻害薬
  4.SGLT2阻害薬
  5.DPP-4阻害薬
  6.GLP-1受容体作動薬
  7.スルホニル尿素(SU)薬
  8.速効型インスリン分泌促進薬(グリニド薬)
  9.インスリン療法
  10.配合錠および基礎インスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の配合注射薬
 B.その他の薬物療法
  1.糖尿病に合併した高血圧
  2.糖尿病に合併した脂質異常症

7.糖尿病合併症とその対策
 A.糖尿病合併症とは
 B.急性合併症
  1.糖尿病性ケトアシドーシス
  2.高浸透圧高血糖状態
  3.感染症
 C.慢性合併症
  1.糖尿病網膜症
  2.糖尿病性腎症
  3.糖尿病性神経障害
  4.動脈硬化性疾患
  5.糖尿病性足病変
 D.併存疾患(その他の合併症)
  1.骨病変
  2.手の病変
  3.歯周病
  4.認知症
  5.癌
  〔COLUMN〕糖尿病予防のための戦略研究(Japan Diabetes Outcome Intervention Trial:J-DOIT)
 E.合併症の検査
  1.急性合併症のための検査
  2.慢性合併症のための検査

8.低血糖およびシックデイ
 A.低血糖
  1.症 状
  2.高血糖性の昏睡との鑑別
  3.低血糖の誘因
  4.低血糖時の対応
  5.再発予防
 B.シックデイ
  1.シックデイとは
  2.シックデイ対応の原則
  3.入院加療が早急に必要な場合

9.ライフステージごとの糖尿病
 A.小児・思春期における糖尿病
  1.1型糖尿病
  2.2型糖尿病
 B.妊娠と糖尿病
 C.高齢者の糖尿病
  〔COLUMN〕サルコペニアとフレイル
  〔COLUMN〕就労期における未治療と治療中断

10.専門医に依頼すべきポイント
 A.糖尿病専門医に依頼する場合
  1.血糖コントロール不良
  2.教育入院
  3.慢性合併症
  4.急性合併症
  5.手術・化学療法
 B.他科専門医に依頼する場合
  1.眼 科
  2.腎臓内科
  3.神経内科,皮膚科,外科
  4.循環器科
  5.泌尿器科
  6.整形外科
  7.精神科,心療内科
  8.歯 科
  9.感染症
 C.地域連携,医療連携

11.病態やライフステージに基づいた治療の実例
 診断と初期治療
 [症例1]境界型のときからの生活習慣改善が重要
 [症例2]糖尿病を初めて指摘された肥満患者への対応
 [症例3]認知症が疑われる糖尿病患者における初期治療方針
 [症例4]劇症1型糖尿病を疑うとき
 [症例5]小児における尿糖陽性
 [症例6]妊娠糖尿病の診断となったとき
 定期受診における薬剤調整と指導
 [症例7]治療強化前の注意点
 [症例8]定期通院中で血糖コントロール良好患者には減薬も考える
 [症例9]グリニド薬(またはSU薬)+α-GIで治療中の患者の低血糖にはブドウ糖を118
 [症例10]SU薬投与中の患者にDPP-4阻害薬・SGLT2阻害薬追加するときにはSU薬減量を
 [症例11]SU薬投与中の高齢者には低血糖に注意
 [症例12]高齢者で長年高容量SU薬を使用している患者への治療見直し
 [症例13]定期治療中の糖尿病患者の血糖が急に悪化したら
 [症例14]著明な高血糖の治療時には血糖降下の速度にも配慮を
 [症例15]緩徐進行1型糖尿病患者だとわかったときには
 [症例16]1型糖尿病患者におけるSGLT2阻害薬投与の可否
 [症例17]定期受診患者におけるフットケア
 併存症を持つ患者における治療
 [症例18]心不全治療中の糖尿病患者にはSGLT2阻害薬の処方を検討
 [症例19]心血管疾患既往者に対しては血糖だけではなく脂質も厳重に管理
 [症例20]腎機能低下患者には投薬内容の見直しを
 [症例21]腎機能低下患者における降圧薬の選択は,尿検査結果によって異なる
 [症例22]NAFLDを合併した2型糖尿病
 [症例23]肝硬変に伴う血糖上昇
 [症例24]インスリン療法が必要であるが自己注射できない認知症患者
 [症例25]癌化学療法中の糖尿病患者の血糖コントロールが増悪したとき
 特殊な状況における対応
 [症例26]シックデイにおける対応
 [症例27]インスリン依存の1型糖尿病における体調不良
 [症例28]糖尿病治療中断患者が久しぶりに受診したら,治療の見直しを
 [症例29]検査・治療による絶食の際の対応
 [症例30]周術期の血糖コントロール
 [症例31]妊娠前の血糖管理

付 録
 特定健診・特定保健指導の進め方─糖尿病予防の立場から
 自己検査用グルコース測定器一覧表
 血糖降下薬一覧表
 インスリン製剤および主なペン型注入器一覧表
 参考書

引用元:文光堂

基礎から始まり、症例毎の治療実例まであります
ばーくん

【感想】糖尿病学会からの安心信頼の書籍かつ安価【評価★5/5】

本書を読み終えての私の感想です。

151ぺージの中で、診断から治療(食事・運動・薬物療法)まで幅広く網羅されています。フルカラーであり、図や表が数ページに1箇所以上あるので、文章だけで作られた書籍と比べるとかなり読みやすいです。

フィアスプ®注などの新薬も含めた最新の薬剤データに更新され、薬物療法についてしっかりと学ぶ事が出来ます。

また、食事療法や運動療法なども記載があります。薬剤師としていると薬物療法以外は疎かになりがちですが、最新の情報がコンパクトにまとまっているので知識のアップデートや復習として適切です特に調剤薬局での食事・運動療法の助言を行う際に役立つのではないでしょうか。

 

巻末の付録では、増えてきた配合錠を含めた糖尿病薬の一覧表があり、インスリンについても同様に更新されています。病院薬剤師をしていると看護師さんに対し、情報提供が必要な場面は多いと思いますので、間違いを無くすという意味でも本書は大変便利です。

 

今回の改訂で、コラムも追加されており、糖尿病に関わる「スティグマ」や「サルコペニアとフレイル」など、今日問題となっている糖尿病を取り巻く環境が記載されています。

 

個人的に一番良かった点は新設された治療の実例です。

小児科、妊婦、DM合併症の疾患の具体的な症例が集まっており、全31症例です。各状況に応じてガイドラインに沿った対応が記載されています。

糖尿病治療ガイドにて、学んだことが理解できているかのテストのような使い方や、

類似の症例に出会った時、どのような治療法が良いかが分かるため介入がしやすくなります。

大病院では、糖尿病内科にコンサルする事が多いので、出番は少ないかもですが…
ばーくん

最後に改訂頻度の高さが非常に魅力的です。

年々新たなエビデンスが蓄積され、情報更新が重要な医療業界において、2年毎に更新されているのは、とても助かります。専門書でこの改訂頻度はなかなかありません。

専門書は発行が古いと購入をためらいがちです
ばーくん

常にアンテナを立てて、情報を取り入れる事は医療者として大事ですが、

忙しい薬剤師の都合上、難しかったり抜け漏れがあったりするので、それが約1000円で解消出来るのであれば、非常にコスパが良いと思います。

ポイント

・診断から治療(食事・運動・薬物療法)まで幅広く網羅

・フルカラー、図表があるため読みやすい

・よくある患者さんの具体例に対する治療方法の実例がある【全31症例】

・最近の薬剤も含まれている

・改訂頻度の高さ(2年毎)

・約1000円とコストパフォーマンスが高い

改訂点

2020年版となり改訂した点をまとめておきます。

今回の改訂点

・11章「病態やライフステージに基づいた治療の実例」が追加

・4章「食事療法」を『糖尿病診療ガイドライン2019』に沿って更新・新たな作用機序の薬剤の追加更新

・コラムの追加



いまひとつな点

いまひとつ点は特にありませんが、強いて言えば糖尿病治療ガイドの対象は医師を中心とした医療者ですので、 糖尿病の専門書には劣ってしまいます。

ただ、しっかりとした基礎の上に応用や発展が成り立つので、土台づくりに糖尿病治療ガイドは最適です。

いまひとつな点

特になし

「糖尿病治療ガイド」をおすすめしたい方

本書にオススメな方は以下です。

新人薬剤師    ★5.0

ベテラン薬剤師  ★4.0

こんな方におすすめ

  • 糖尿病について基礎から学びたい
  • 糖尿病の患者を指導することが多い
  • 糖尿病の最新治療について知りたい
約1000円なのが凄く助かる!
ばーくん

ここまでは、個人的な考えでしかないので、他の方のレビューをみてみましょう。

他人のレビューもチェック

Amazonレビューはこちら

【まとめ】「糖尿病治療ガイド」感想・レビュー 基礎から実例まで網羅した安心の書籍

まとめ

■全体的な感想

・診断から治療(食事・運動・薬物療法)まで幅広く網羅

・フルカラー、図表があるため読みやすい

・よくある患者さんの具体例に対する治療方法の実例がある【全31症例】

・最近の薬剤も含まれている

・改訂頻度の高さ(2年毎)

・約1000円とコストパフォーマンスが高い

■マイナス点

・特になし

■特別なお得ポイント

約1000円

■オススメ薬剤師

・新人薬剤師  

・ベテラン薬剤師

ハリミちゃん
本を買って勉強したいけど、お金が…
薬剤師が読む本は、3冊買えば約1万円なので、実際かなり躊躇しますね…
薬剤師であれば、今なら「m3.com」に無料登録で3000円のAmazonギフト券が貰えます。少しでも足しになれば
ばーくん

自分は仕事に慣れてから遊び回り、無駄に時間を費やしてしまいました…。
今は後悔しかありません。
経験年数が増える程、「知っていて当たり前」という事が圧倒的に増えます。現在何とか埋め合わせをしようと勉強中です。

時間を最も有効に利用した者が、最も立派な仕事ができる!
ばーくん

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ばーくん

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ばーくん

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