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オレキシン受容体拮抗剤であるベルソムラ錠(スボレキサント)について、添付文書とインタビューフォーム中心に、病院薬剤師目線から説明します。
こんな方におすすめ
- ベルソムラの作用機序は?
- ベルソムラの服薬指導の注意点
- ベルソムラとデエビゴの違いは?
医薬品情報(基本項目)
↓ の表は右にスライドします
販売名 | ベルソムラ錠20mg/ベルソムラ錠15mg/ベルソムラ錠10mg |
名前の由来 | 特になし |
一般名 | スボレキサント (洋名:Suvorexant) |
製造販売元 | MSD株式会社 |
薬効分類 | 不眠症治療薬 |
効能・効果 | 不眠症 |
用法・用量 | 1日1回20mg(成人) 1日1回15mg(高齢者) 就寝直前に経口投与 |
製剤の性状 | フィルムコーティング錠 |
薬価 | ベルソムラ錠10mg 69.3円/錠 |
問い合わせ窓口 | MSD カスタマーサポートセンター |
ベルソムラ錠(スボレキサント)の作用機序・オレキシン受容体について
ベルソムラ錠(スボレキサント)の作用機序【OXR阻害薬】
さっそく、ベルソムラIFの原文を見てみましょう。
覚醒/睡眠を調整する重要な神経伝達物質であるオレキシンは、視床下部に局在するニューロン
に発現しており、覚醒に関与する神経核に投射し活性化させることで覚醒を維持している。
スボレキサントは、2 種のオレキシン受容体(OX1R 及び OX2R)の選択的拮抗薬として可逆的に
作用し、オレキシンニューロンの神経支配を受けている覚醒に関与する神経核を抑制することに
より睡眠を誘発する。出典元:インタビューフォーム
少し分かりにくいので、まとめていきます。
オレキシン(神経ペプチド)は、オレキシン受容体を介して覚醒の安定化・睡眠の抑制を行っている
視床下部に局在するニューロンにて発現。
オレキシン受容体には、2種のサブタイプがある(OX1R、OX2R)
用語
・オレキシン1受容体[OX1R]
・オレキシン2受容体[OX2R]
両方を阻害する薬剤
☟
DORA:dual orexin receptor antagonist
スボレキサントは、OX1RとOX2Rの両方に対し、競合的可逆的拮抗作用を有する薬剤
覚醒を促進するオレキシン受容体への結合が阻害されるため、睡眠を誘発させる。
作用機序
オレキシン(神経ペプチド)受容体は、覚醒の安定化・睡眠の抑制に関与
2種のサブタイプ(OX1R、OX2R)がある
スボレキサントは、OX1RとOX2Rの両方を競合的可逆的に拮抗
オレキシンR阻害⇒睡眠誘発
補足:OXR2Rの方が覚醒/睡眠の調整により重要かもしれない
OX1RとOX2Rの両方を阻害する薬剤の方が睡眠作用が強い
最近の研究
ベルソムラの情報ではありませんが、同様のオレキシン受容体阻害薬であるデエビゴのIFに、以下の記載があります。
・今の段階では、OXR2Rの方が覚醒/睡眠の調整により重要な役割を担っていることが示唆されている。
・OX1RとOX2Rの両方を阻害するデュアルオレキシン受容体拮抗剤の方が、片方のものよりも強い睡眠促進作用があると考えられている
効能効果・用法用量【高齢者には15㎎】
次に、用量について説明です。
通常、成人にはスボレキサントとして1日1回20mgを、高齢者には1日1回15mgを就寝直前に経口投与する。
出典元:添付文書
高齢者の場合は、15㎎とされています。
デエビゴ錠には規定はなく、異なる点です。混同に注意が必要ですね。
メモ
デエビゴ:高齢者での用量上限はなし
副作用・禁忌【併用禁忌はなし】
■禁忌:併用禁忌あり(CYP3A阻害薬)、過敏症
血中濃度が増加するため、禁忌となっています。
併用禁忌
CYP3Aを強く阻害する薬剤:
・イトラコナゾール
・クラリスロマイシン
・リトナビル
・ネルフィナビル
・ボリコナゾール
理由:本剤の作用を著しく増強させるおそれがあるため、併用しないこと。
スボレキサントの代謝酵素であるCYP3Aを強く阻害し、スボレキサントの血漿中濃度を顕著に上昇させる。
重度の肝機能障害のある患者、ナルコレプシーとカタプレキシーの患者さんには、悪化させる可能性があるので慎重投与です。
メモ
用語
ナルコレプシー:日中において場所や状況を選ばず起こる強い眠気の発作を主な症状とする睡眠障害
カタプレキシー:喜怒哀楽、恐れや羞恥といった過度の情動刺激(感情の高ぶり)により発生する発作症状。ナルコレプシーの患者が副症状としてカタプレキシーを併発するケースが多い
■副作用
主な副作用は、傾眠 (4.7%)、頭痛 (3.9%)、疲労 (2.4%) です。
異常な夢・悪夢があったので、これもベルソムラと似ていますね。傾眠の副作用は、デエビゴの方が多いです。す。
メモ:デエビゴの頻度
傾眠(10.7%)、頭痛(4.2%)、倦怠感(3.1%)
服薬指導の注意点【睡眠習慣の改善・運転禁止 】
私が服薬指導をするなら、ここは説明するかなというポイントを挙げます。ご意見はコメント欄に記載いただくと、ありがたいです。
まず前提として、以下のポイントを抑える事が必要です。
注意ポイント
■睡眠習慣の改善が必要である事
■睡眠時間には個人差がある事
■加齢により睡眠時間は短縮する事
元々生活習慣が悪ければ、薬は効きませんし、必要以上の薬剤量が必要になります。
また、高齢の人は睡眠時間が短いのは当たり前です。日中眠気に襲われて不便でない限り睡眠は十分と言えます。
前提としては、ここまで。以降は薬剤個々の部分の説明です。
重要な基本的注意に記載があるように「自動車運転・機器操作の禁止」があります。
「飲んでから運転する訳じゃないから問題ない」と良く勘違いする方がいますが、正確にはダメです。
また、転倒のリスクがあるので、必ず寝る前に服用してもらいます。
眠剤内服中の基本ですが、アルコールは避けていただくようにお願いします。
最後に、処方監査ですが、高齢者の用量、併用禁忌が無いかどうかは必ず確認します。
まとめ
・服用中は自動車運転等は避けてもらう
・寝る直前に必ず飲んでもらう
・高齢者の用量、併用禁忌の有無の確認
ベルソムラとデエビゴの違い【併用禁忌・一包化不可】
商品名 | デエビゴ | ベルソムラ |
一般名 | レンボレキサント | スボレキサント |
製造販売 | エーザイ | MSD |
用法 | 就寝直前 | |
用量 | 5㎎(成人) | 20m(成人)、15㎎(高齢者) |
禁忌 | 重度の肝機能障害、過敏症 | CYP3Aを阻害する薬剤(下記)、過敏症 |
併用禁忌 | なし | イトラコナゾール、クラリスロマイシン、リトナビル、ネルフィナビル、ボリコナゾール等 |
一包化 | 可 | 不可 |
【まとめ】ベルソムラ(スボレキサント)の作用機序と特徴
ベルソムラ錠(スボレキサント)について、個人的な観点からまとめさせていただきました。
ポイント
■ベルソムラ錠(スボレキサント)の作用機序
オレキシン(神経ペプチド)受容体は、覚醒の安定化・睡眠の抑制に関与
2種のサブタイプ(OX1R、OX2R)がある
スボレキサントは、OX1RとOX2Rの両方を競合的可逆的に拮抗
オレキシンR阻害⇒睡眠誘発
因みに、デエビゴ錠もOX1RとOX2Rの両方を阻害
■副作用
傾眠 (4.7%)、頭痛 (3.9%)、疲労 (2.4%) 等
■服薬指導の注意点
・服用中は自動車運転等は避けてもらう
・寝る直前に必ず飲んでもらう
・高齢者の用量、併用禁忌の有無の確認
ベルソムラ錠(スボレキサント)についての説明は以上となります。
2つ目のオレキシン受容体阻害薬であるデエビゴ錠について、解説していますので、こちらもどうぞ 2020年1月23日に製造販売承認の取得を取得しました。オレキシン受容体拮抗剤であるデエビゴ錠(レンボレキサント)について、添付文書とインタビューフォーム中心に、病院薬剤師目線から説明します。 こんな ... 続きを見るデエビゴ(レンボレキサント)の作用機序・オレキシン受容体について
上記内容はばーくん(BA-KUN )の個人的見解であり、利益相反等も一切ございません。薬剤の使用については、必ず添付文書やインタビューフォームを読んで使用してください。治療により受けた不利益の責任はおいかねます。
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