2019年6月18日に製造販売承認の取得されました。
持効型溶解インスリンアナログとヒトGLP-1アナログの配合注射液であるゾルトファイ配合注(インスリン デグルデク+リラグルチド)について病院薬剤師目線から説明します。
突然ですが、お得情報のご紹介です。9/30まで!
新薬・業界の情報を効率よく収集するため、私が毎日使っている「m3.com」というサイトがあります。今なら無料会員登録を行うだけで、Amazon3000円分のポイントを無料でゲットできます。
医療情報サイトは、日経DI,AnswersNews,ミクスOnline等ありますが、数年間使っての感想は、新薬情報と更新頻度はm3が一番でした。まれに記事が専門的過ぎる点はマイナスですが、そんな記事も重要ですね。
将来知識不足な薬剤師とならないように、3000円手にして良い書籍を買うのはいかかでしょうか。
m3.com公式サイト【無料登録】Amazonギフト券 3000円分プレゼント(9月30日まで)!
私が実際に登録した際の記事⇒「m3.com」登録からギフト券が付与されるまでの流れと期間
医薬品情報(基本項目)
販売名 | ゾルトファイ配合注 フレックスタッチ |
名前の由来 | 特になし |
一般名 | インスリン デグルデク(遺伝子組換え) (洋名:Insulin Degludec) リラグルチド(遺伝子組換え) (洋名:Liraglutide) |
製造販売元 | ノボ ノルディスク ファーマ株式会社 |
薬効分類 | 持効型溶解インスリンアナログ/ヒトGLP-1アナログ 配合注射液 |
効能・効果 | インスリン療法が適応となる2型糖尿病 |
用法・用量 | 通常、成人では、初期は1日1回10ドーズを皮下注射 投与量は状態に応じて適宜増減するが、1日50ドーズを超えない 注射時刻は原則として毎日一定 |
薬価 | 5293円/キット |
開発の経緯
近年、Basalインスリン製剤とGLP-1受容体作動薬の併用療法は、日本糖尿病学会の最新ガイドラインや米国糖尿病学会・欧州糖尿病学会の2型糖尿病患者の高血糖の管理に関するposition statementに掲載されているとおり、世界的に2型糖尿病患者に対する標準的な治療の1つとなっています。(2019年現在)
併用療法には、持効型のBasalインスリン(インスリン デグルデグ)とGLP-1受容体作動薬(リラグルチド)の製剤を複数回投与する必要がありました。
しかし、2剤を配合したゾルトファイ配合注を作成することで1日1回の注射で治療可能となります。
スイスで2014年9月に最初に承認され、2015年1月に発売されました。その後、EU、米国を含む世界58カ国で承認され、2019年4月24日現在ではEU、米国、スイス、ロシア、インド、イスラエルなどで発売されており、さまざまな国で使われています。その薬剤がついに日本でも承認されました。
ゾルトファイ配合注の作用機序【医療者向け】
インスリンデグルデグ(トレシーバ®)の作用機序、作用持続の理由
①インスリン デグルデクは、製剤中では可溶性のダイへキサマーとして存在するが、投与後、皮下組織において会合して、可溶性で安定なマルチヘキサマーを形成し、一時的に注射部皮下組織にとどまる。
②インスリン デグルデクモノマーはマルチへキサマーから徐々に解離するため、投与部位から緩徐にかつ持続的に血中に吸収され、長い作用持続時間をもたらす。
③皮下注射部位・血中で脂肪酸側鎖を介してアルブミンと結合し、作用の持続化に寄与する。
②肝臓におけるグルコース産生を阻害することで血糖値を降下させる。
③脂肪細胞における脂肪分解及びタンパク質分解を阻害し、タンパク質合成を促進する。
リラグルチド(ビクトーザ®)の作用機序、作用持続の理由
まず、生体で分泌されるインクレチンホルモンであるGLP-1は、グルコース濃度依存的に膵β細胞からインスリンを分泌させる。
リラグルチドはヒトGLP-1アナログで、GLP-1受容体を介して作用することにより、cAMPを増加させ、グルコース濃度依存的にインスリン分泌を促進させる。
さらにグルコース濃度依存的にグルカゴン分泌を抑制する。
リラグルチドは自己会合により緩徐に吸収されること、アルブミンと結合して代謝酵素(DPP-4及び中性エンドペプチダーゼ)に対する安定性を示すことで、作用が持続する。
用法・用量
通常、成人では、初期は1日1回10ドーズ(インスリン デグルデク/リラグルチドとして10単位/0.36 mg)を皮下注射する。
投与量は患者の状態に応じて適宜増減するが、1日50ドーズ(インスリン デグルデク/リラグルチドとして50単位/1.8 mg)を超えないこと。
注射時刻は原則として毎日一定とする。なお、本剤の用量単位である1ドーズには、インスリン デグルデク1単位及びリラグルチド0.036 mgが含まれる。
出典元:ゾルトファイ配合注添付文書
初期用量は、 ビクトーザ®承認用法・用量における開始用量(0.3mg)とほぼ同等のリラグルチドが含まれる「10ドーズ(インスリン デグルデク:10単位、リラグルチド:0.36mgに相当)」されています。
・血糖コントロールの状況、年齢、腎機能障害の有無等を含め、患者の状態に応じて、低用量(10ドーズ未満)からの投与も考慮するなど、慎重に投与を開始すること。
・週1回投与などの持続性GLP-1受容体作動薬による治療から本剤に切り替える場合は、その作用持続性を考慮し、次回に予定していた投与タイミングから本剤の投与を開始すること。
(2)インスリン製剤(Basalインスリン又は混合型/配合溶解インスリン)による治療で効果不十分な場合開始用量は、通常1日1回10ドーズであるが、前治療のインスリン投与量や患者の状態に応じて、1日1回16ドーズ(インスリン デグルデク/リラグルチドとして16単位/0.58 mg)までの範囲で増減できる。
本剤の1日用量として50ドーズを超える用量が必要な場合は、他の糖尿病用薬への切り替えを検討すること。
出典元:ゾルトファイ配合注 添付文書(7. 用法及び用量に関連する注意)
最大50ドーズとのことであり、ビクトーザ(リラグルチド)の最大用量である1.8㎎と同じ量となっている。
トレシーバは通常4~80単位(適宜増減)でとなっており、50ドーズでは50単位となり添付文書の範囲内となっています。
・患者に応じて、10ドーズ未満や16ドーズまで初期用量の調節は可能
・最大50ドーズであり、超える場合は他剤に切り替えることが必要
1ドーズとは?
ゾルトファイ配合注を使用する単位として“ドーズ”という言葉が使われています。1ドーズには、インスリン デグルデク1単位とリラグルチド0.036mgが含まれています。1ドーズ単位で調節することができます。
・1回10ドーズから開始して、1ドーズ単位で調節
その他の重要な注意事項
・3~4ヵ月間投与しても血糖コントロールの効果が不十分な場合には、他の治療薬への切り替えが推奨される。
・高用量のインスリン製剤(Basalインスリン又は混合型/配合溶解インスリン)を投与している患者では、ゾルトファイ配合注に切り替えると血糖コントロールが一時的に悪化する可能性がある
・急性膵炎の初期症状(嘔吐を伴う持続的な激しい腹痛等)があらわれた場合は、使用を中止し、速やかに医師の診断を受けるよう指導すること。
・肝障害、甲状腺関連の症候が起こる事があるため、モニタリングが必要。
急激な血糖コントロールにより、糖尿病網膜症などの悪化等が現れることがある。
・ビクトーザにも言えることですが、妊娠又は妊娠している可能性のある女性には本剤を投与せず、インスリン製剤を使用すること。
また、18歳未満の患者を対象とした臨床試験は本剤では実施していない
副作用
低血糖、アナフィラキシーショック、膵炎、腸閉塞、便秘、食欲減退、悪心、下痢等であり、インスリン製剤やGLP-1製剤と同様です。
注射を打ち忘れた場合【8時間以上あける】
7.4 投与を忘れた場合には、本剤の作用持続時間等の特徴から気づいた時点で直ちに投与できるが、その次の投与は8時間以上あけてから行い、その後は通常の注射時刻に投与するよう指導すること。
ゾルトファイ配合注を打ち忘れた場合は、1回とばす(スキップ)ことはしません。打ち忘れに気づいた時点で注射をします。
大事なポイントは8時間以上あけることです。上の図が良く分かります。
すぐに注射します。次の投与は、通常の時刻に注射します。
■予定の注射時刻まで8時間未満の時
すぐに注射します。次の投与まで8時間以上あける必要があります。次の投与は時間をずらして注射します。その次からは、通常の時刻に戻します。
ゾルトファイ配合注の臨床試験の成績
経口血糖降下薬による治療で十分な血糖コントロールが得られない2型糖尿病患者において、インスリン デグルデク群と比較して低血糖の発現頻度を高めずに、HbA1cの低下について、インスリン デグルデク群に対する非劣性が検証され、さらにインスリン デグルデク群、リラグルチド1.8mg群に対する優越性が検証された。
まとめ
持効型溶解インスリンアナログとヒトGLP-1アナログの配合注射液であるゾルトファイ配合注について説明させていただきました。
・1日1回の投与で併用療法が可能となった
・ゾルトファイ配合注を打ち忘れた場合は、忘れに気づいた時すぐに打ち、8時間以上あけること
・通常、10ドーズ(インスリン デグルデク:10単位、リラグルチド:0.36mg)から開始
ゾルトファイ配合注についての説明は以上となります。
上記内容はばーくん(BA-KUN )の個人的見解であり、利益相反等も一切ございません。薬剤の使用については、必ず添付文書やインタビューフォームを読んで使用してください。治療により受けた不利益の責任はおいかねます。
人気記事 今すぐ転職する気がなくても転職サイトに登録しておくべき5つの理由
人気記事 薬剤師の失敗しない転職サイトの選び方【登録メールの注意点!】
✅9月30日まで!
薬剤師ならm3.comの無料登録だけで、3000円分のAmazonギフト券プレゼント中!