医薬品

フィアスプ注の特徴・ノボラピッドとの違い【食事開始時の用法解説】

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2019年9月20日に製造販売承認の取得、2020年2月発売(予定)となりました。
新たなインスリン注であるフィアスプ注(既存インスリン アスパルト)について、添付文書とインタビューフォームを中心に、病院薬剤師目線から説明します。

こんな方におすすめ

  • フィアスプ注とノボラピッドの違いは?
  • 食事開始時と食事開始後の用法(使い方)が分からない
  • フィアスプ注による特徴・メリットは?
  • フィアスプ注承認からおこるインシデントの可能性は?

医薬品情報(基本項目)

↓ の表は右にスライドします

販売名フィアスプ®注 フレックスタッチ®
フィアスプ®注 ペンフィル®
名前の由来

Faster insulin aspart

インスリン アスパルト(遺伝子組換え)を有効成分とする既承認の製剤より、作用発現が速いことに由来する。

一般名インスリン アスパルト(遺伝子組換え) (洋名:Insulin Aspart)
製造販売元ノボ ノルディスク ファーマ株式会社
薬効分類超速効型インスリンアナログ注射液
効能・効果インスリン療法が 適応となる糖尿病
用法・用量

成人では、初期は 1回2~20単位を毎食事開始時に皮下投与するが、必要な場合は食事開始後の投与とすることもできる。
投与量は、症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含め通常1日4~100単位である。

小児では、毎食事開始時に皮下投与するが、必要な場合は食事開始後の投与とすることもできる。
投与量は、患者の症状及び検査所見に応じて適宜増減するが、持続型インスリン製剤の投与量を含めた維持量は通常1日0.5~1.5単位/kgである。

薬価

薬価基準未収載 (2019年12月現在)

問い合わせ窓口

ノボ ノルディスク ファーマ株式会社

ノボケア相談室 Tel 0120-180363(フリーダイアル)

医療関係者向けホームページ URL http://www.novonordisk.co.jp

食事開始時投与・食事開始後投与とは?【用法・用量】

7. 用法及び用量に関連する注意
7.1 本剤は、ノボラピッド注より作用発現が速いため、食事開始時(食事開始前の2分以内)に投与すること。また、食事開始後の投与の場合は、食事開始から20分以内に投与すること。
なお、食事開始後の投与については、血糖コントロールや低血糖の発現に関する臨床試験成績を踏まえた上で、患者の状況に応じて判断すること。

(中略)
本剤の投与タイミングとしては、通常は食事開始時(食事開始前の2分以内)の投与を推奨するが、必要な場合は食事開始後(食事開始から20分以内)の投与も可能である。
本剤は、従来の超速効型インスリンより速く効き目があらわれるので、低血糖を回避するため、投与するタイミングに注意が必要である。また、食事開始後の投与については、血糖コントロールや低血糖の発現に関する臨床試験成績を踏まえた上で、患者の状況(生活習慣、食事の種類など)に応じて判断する必要がある。
なお、小児患者へ夕食開始後に投与する場合は、夜間低血糖の発現に注意するように指導すること。

出典元:インタビューフォーム

「ん~~、分かりにくい」と、正直思いました。

そこで、補助資料として「新医薬品の使用上の注意の解説」にいい図がありましたので持ってきました(IFにもありますが、ぼやけていました…)。

結論だけ先に記載します

  • 食事開始:食事開始に2分以内に投与

  • 食事開始:食事開始から20分以内

  • 覚え方:空打ち単位⇒2分(食事開始)⇒20分(食事開始) ※2回は打たないで下さい。覚え方です。

食事開始時【食事開始の2分以内】

フィアスプ食事開始時の用法
出典元:フィアスプ 新医薬品の「使用上の注意」の解説

食直前の用法と比較されているのでとても分かりやすいです。

フィアスプは食事開始の2分以内に投与です。

食直前のインスリンを使っている患者さんには、この図を見せると違いが良く分かりますね。

食事開始後【食事開始から20分以内】

出典元:フィアスプ 新医薬品の「使用上の注意」の解説

次に食事開始後の用法です。食事開始から20分以内に投与しないといけません。

食事の終了時間は関係なく、食事開始を起点にしています。

食事開始時と食事開始後の時間の覚え方

覚え方は、上の段でも書きましたが、

空打ち2単位⇒2分(食事開始)、20分(食事開始時)と、繋げていくのが良いと個人的に思っています。

良かったら使っていただけますと幸いです。

フィアスプ注の特徴・メリット

フィアスプ注は、ノボラピッドを用いた治療よりも生理的な食事時のインスリン分泌パターンを模倣することを目指して開発された超速効型インスリンアナログ製剤です。
有効成分は既承認のノボラピッド注と同一のインスリン アスパルト(遺伝組換え)ですが、血糖降下作用がより速く発現するよう処方( 添加物 )が変更されています。
主な変更点として、添加剤としてニコチン酸アミドを配合している点です。

これにより、インスリン アスパルトの初期の吸収が速くなり、食後血糖値の上昇を効果的に抑制し、食後血糖コントロールの改善をもたらすとされています。

フィアスプ注は、この作用特性により、食後開始後に投与しても良好な血糖コントロールが得られることが期待されています。

バイアル製剤については、ポータブルインスリン用輸液ポンプを用いた投与や静脈内注射を行うことが出来ます。

ちなみに…

・EU:2017年1月に承認、2017年2月に発売

・米国:2017年9月に承認、を取得し、2018年1月に発売

特徴・メリット

ノボラピッドと同じインスリン アスパルトだが、添加物が異なる(ニコチン酸アミド配合)

ノボラピッドよりも、効果発現(吸収)が早く、生理的な食事時のインスリンパターンに近い

用法は、食事開始時投与(又は、食事開始後)

フィアスプ注のデメリット【食事開始時という用法・オーダーミス】

病院で、予想できるインシデントは、医師がオーダー時に、「インスリン アスパルト」で検索して、ノボラピッドとフィアスプをクロスして選択してしまい、指示を食直前or食事開始時と本来の意図と違うものが処方されてしまうとこが予想されますね。

薬剤師としては、ハイリスク薬なので、用法を見て違和感があれば疑義紹介が必要ですね。

また、看護師などの医療者への教育も必要になるでしょう

オーダーはあっていても、看護師が間違えてしまう可能性はありますので。

注意ポイント

・食事開始時・開始後という新たな用法の登場で、患者と医療者の混乱

・ノボラピッド注とフィアスプ注での、用法のクロス

フィアスプの作用機序(インスリンアスパルトの説明)

(1)作用部位・作用機序

本剤は、ニコチン酸アミドを添加することにより、インスリン アスパルトの初期吸収を速めた製剤である。

インスリン アスパルトは、インスリンB鎖28位のプロリン残基をアスパラギン酸に置換したインスリンアナログであり、インスリンレセプターと結合することにより、作用を発現する。インスリンレセプターに結合したインスリンは、筋肉・脂肪組織における糖の取り込みを促進し、肝臓におけるグルコース産生を阻害することにより、血糖値を低下させる。
インスリンは、脂肪細胞における脂肪分解を阻害し、蛋白分解を阻害するとともに、蛋白合成を促進する。

出典元:インタビューフォーム

最後になりましたが、作用機序を載せておきます。

あとがき

インスリン アスパルトというノボラピッドと同じ成分ですが、添加物が違いため、効果発現が早くなったフィアスプ注について、個人的な観点からまとめさせていただきました。

ポイント

・ノボラピッドと同じインスリン アスパルトだが、添加物が異なる(ニコチン酸アミド配合)

・ノボラピッドよりも、効果発現(吸収)が早く、生理的な食事時のインスリンパターンに近い

・用法は、食事開始時(食事開始に2分以内に投与)、食事開始後(食事開始から20分以内)

・覚え方:空打ち2単位⇒2分(食事開始時)⇒20分(食事開始後)

注意ポイント

・食事開始時・開始後という新たな用法の登場で、患者と医療者の混乱⇒患者と医療者へ教育

・ノボラピッド注とフィアスプ注での、用法間違いのインシデントに気を付ける!

フィアスプ注(インスリン アスパルト)についての説明は以上となります。

上記内容はばーくん(BA-KUN )の個人的見解であり、利益相反等も一切ございません。薬剤の使用については、必ず添付文書やインタビューフォームを読んで使用してください。治療により受けた不利益の責任はおいかねます。

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